「糊こぼし」ほか奈良のお菓子 [和菓子(関西)]
もちいどの通り商店街にある「萬々堂通則」で2月初めから3月半ばまで作られる「糊こぼし」
お水取りにちなんだお菓子です。
バラ売りもされているのですが、椿が描かれた箱がきれいなので進物用を求めてしまいました。
一番小さな3個入り。
連行衆となった僧侶たちが修二会の期間、須弥壇の四隅を飾るための椿を模した造花を作るのですが
「糊こぼし」はその造花をかたどったお菓子です。
餅粉で作った花弁は紅で彩色され、花芯は手亡豆のあん。
姿も美しいですが口に入れるとすっと溶ける柔らかさ。品のあるお菓子です。
萬々堂通則の定番といえばこの「ぶと饅頭」
先の「糊こぼし」は東大寺二月堂にちなんだお菓子ですが、こちらは春日大社。
「ぶと」は春日大社の祭礼に供えられる神饌の一つであり、元来は油で煮た餅という意味があるそうです。
中国から伝わった唐菓子の一種で米粉を油で揚げて作られるのだとか。
それを饅頭にアレンジしたのが「ぶと饅頭」です。
こしあん入りのあんドーナツといったところでしょうか。
ぶとはかなり固いものだということでそれを意識してのことなのでしょうか、あんドーナツと聞いて想像するもの
よりはずっと固めですがおいしいです。
1個210円なので気軽にパクパクというわけにはゆきませんが。
もちいどの通りから少し足を伸ばして奈良町の「テンテンカフェ」でひと休み。
故川島英五さんのご家族が経営されているお店です。訪れるのは5年ぶり。
ドラマ「鹿男あをによし」のロケに使われたのでドラマ関連の写真が飾られていたりと以前とは雰囲気が
少し変わっていましたが町家を改装した吹き抜けのある店内はゆったりとできました。
地元の赤膚焼きらしき珈琲カップやグラスにはラクダ、そして壁には英五さんの絵が飾られています。
この絵は以前法善寺横町で経営されていたお店が火事に遭い、残った部分を修復されたものと聞きました。
テンテンパフェ
メニューの写真を見た時は「お団子が2本も刺さってる!」と、そのボリュームに不安を
覚えましたが運ばれてきた実物はかわいらしいサイズでした。
「だんご庄」との違いを味わいたくてずっと食べてみたいと思っていた「たまうさぎ」のおだんごを
近鉄奈良駅構内の売店で買うことができました。 (以前の「だんご庄」の記事はこちら)
「たまうさぎ」の方が見た目が器量よしですね。きめ細やかな感じです。
食感も「だんご庄」よりもやわらかいように思いました。同時に食べ比べたわけではないのであくまでも
個人的な印象ということで…
だんご庄をちょっぴり垢抜けさせたような。
私はどちらかといえば食べなれた田舎っぽいだんご庄の方が好みですね。