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赤木五兄弟 [観劇]

   

モダンスイマーズ 『赤木五兄弟』

作・演出: 蓬莱竜太
出演: 西條義将
 小椋毅 古山憲太郎 津村知与支 恩田隆一(ONEOR8)
美術:伊達一成
音響:今西工
照明:松本由美

2006年8月22日(火)~27日(日)
新宿THEATER/TOPS

初モダンスイマーズ。
昨年「時には父のない子のように」で蓬莱竜太作品を観てからモダンスイマーズが気に
なっていました。その後シアテレで「デンキ島 松田リカ編」を観たときは最後までなじめ
ないままだったのですが、やっぱり一度生で観なければわからないからと行くことにしま
した。 入口に「関係者で~す」の雰囲気ありありの方たちが多いのは小劇場系の特徴
なのでしょうか。 チケットも3000円とまだまだ安い。




男ばかり5人の赤木兄弟の話。

雑司が谷の墓地から次々と自転車で帰ってくる兄弟たち。みんな喪服姿で、法事でも…?
どうやら彼らはかわいがっていた犬が死に、死骸を墓地の隅に埋めに行ってきたらしい。
「犬は家族だ!」と1人だけ参加しなかった五男に向かって叫ぶ兄たち。

両親を事故で亡くし、兄弟で力を合わせて父の仕事である工務店を継いでいる兄弟。
父の教えを忠実に守り仕事で手抜きは一切しない。
問題が起きた時は、亡くなった父親ならどうするかをまず考えてその通りに行動する。
そんな彼らはどうやら近隣からは「ちょっとアブナイ変な兄弟」と見られているらしい。

彼らは家族の誰かに問題が生じたら全員で考え、事に当たる。
家族の一員である赤木家の犬はどうやら近所の飼い犬のせいで死んでしまったらしい。
したがって復讐としてその犬を殺すことが目下の兄弟の最大関心事。

そんな中でひとり五男だけが復讐に反対している。兄達とは少し距離を置いているふう。
実は彼だけが母親違いの兄弟だった。最近実の母から一緒に住みたいと言われて
心が揺れているらしい。そんな彼は兄弟の中でただ一人ピザ屋でバイトをしている。


熱い、やたらと熱い。しかし次第にその熱さが心地よく感じられるようになってくる。
いつも一緒に行動し、納得のゆかないことがあれば本気で取っ組み合いのケンカもするが
長男を中心に兄弟仲はすこぶるよい。
この時代にあっては赤木家の姿は希少価値、失われ行く家族の姿かもしれない。

兄達の愛情は充分に承知していても、心の揺れを抑えることができない五男のいらだち。
ストレートに向かってくる愛情が時としてうっとうしく、重荷に感じられることだってある。

ケンカの後で家を飛び出した五男。実は彼はすでに例の犬を殺して庭に埋めていた。
ラスト 警察に出頭した弟に代わってピザ配達のピンチヒッターを務めようとする兄たち。
弟に恥をかかせないようにと大声で真剣に練習する姿は滑稽ではあるが、あふれる
愛情が感じられて思わずにやり。

テンポのよいせりふの応酬に笑っているうちにどんどん話が進む。男兄弟っていいよなぁ
って思わせてくれる。
大人になっても一緒に行動し、お互いをとても大切に思う兄弟。
映画の「間宮兄弟」を思い出してしまった。


初めての役者さんばかりだったが四男役の津村知与支が印象に残った。
上演時間約1時間20分。

 

 

平田満さんが客席に来られていました。


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