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まとまったお金の唄 [観劇]

     

◆大人計画「まとまったお金の唄」  下北沢本多劇場

1970年 世の中が「おおちゃか万博」で浮かれていた年。それ以降の20年間
に蒼木一家に起こった物語。 
万博閉幕の日にスミレのお腹に宿った娘博子(平岩紙)の目を通して一家の
ことが語られていく。

万博開幕の前日、借金を残して失踪していた父親が太陽の塔の建設現場で
塔の上から落下して死んでしまう。 夫の借金を返しながら健気に生きてきた
熱心なクリスチャンの母のヒトエ(荒川良々)はこの事件をきっかけにすこしず
つ壊れて行く。

蒼木家の姉妹 ヒカル(阿部サダヲ)、スミレ(市川実和子)にも次々と不幸が
ふりかかる。下宿人の馬場ちゃん(宮藤官九郎)と恋人の蝶子(伊勢志摩)、
活動家の新宿(菅原永二)、金貸し親子(杉村蝉之介・近藤公園)、神木リュ
ウノスケ(内田滋)をも巻き込み不幸の連鎖が始まって行く

一つの嘘が次の嘘を呼ぶ。「まとまったお金」は何のために必要だったのか、
父が太陽の塔の内側に書き残した「もうこれ以上嘘はつけない」の意味は何
だったのかが次第に明らかになって行く。
近くに住みながら「おおちゃか万博」
からは遠く離れた生活を送る彼らにとって
太陽の塔が意味するものは…

荒川良々の母と阿部サダヲのヒカルがおかしくて切なくてとてもよかった。
こんなに不幸が次々とやってくるというのに、登場人物がみんな明るくてたく
ましくて、カラッとしているのが観る者にとっても救い。
今までに観た作品に比べると今回はやや毒が少ないか。

ダイナマン(松尾スズキ)は出たり入ったり、さまざまな役でおいしいとこ取り。
美術(松井るみ)はグレー基調の描き割りのようなセット。とてもありえないよう
な、非現実感満載の一家の話にピッタリの感じ。
70年代に流行した曲、ファッション、事件など当時をリアルタイムで経験した身
にはなつかしさいっぱい。大阪弁の不自然さはどうしても気になるけれど、本筋
とは関係ないので目をつぶることにしよう。
休憩無しで2時間20分程。帰り際急いでロビーに出たら物販コーナーに宮崎吐
夢さんが普通に立っていておかしかった。

録画した「医龍」を見るのは明日にしよう。


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