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小鹿物語 [観劇]


『小鹿物語』

          

作:興水泰弘
演出:水田伸生
出演:明石家さんま 真矢みき 山西惇 温水洋一 中山祐一朗 八十田勇一
    水沼健 森下じんせい 新谷真弓 生瀬勝久
美術:堀尾幸男
照明:小川幾雄
音楽:佐藤史朗

2006年8月18日(金)~8月31日(木)
Bunkamura シアターコクーン


「七人くらいの兵士」「JOKER」に続くさんま&生瀬の3本目の舞台です。
「七人~」はとても印象に残る作品だったので大いに期待して観た「JOKER」では
本気で「お金返して」と思い、もう高いお金を出してわざわざさんまのお芝居を観るのは
やめようと決めていました。
なのに今回もまたさんまが好きという若い友人に誘われ行くはめになってしまいました(^^ゞ

舞台は戦時下の大阪。小さな劇団を主宰している奈良野小鹿(さんま)は時節柄お上から
上演内容について注意を受け、なかなか自分達の思うままに芝居ができないでいる。
今日も今日とて情報局に勤める塙(生瀬)からのお目玉にもどこ吹く風の小鹿。

しっかり者で彼に惚れている妻、琴子は小料理屋を切り盛りしながらそんな彼を支えている。
芝居には真剣なものの、博打・女にと落ち着かない小鹿はとうとう博打で大きな借金を抱え
こんでしまう。

英語を使った西洋風の出し物を上演した日、小鹿は特高に捕まり一晩を留置場で過ごす
ことになる。夢の中に三人の魔女が現れ、目覚めた時に小鹿は改名を決心する。
奈良野小鹿から小鹿野バンビへ。戦時下なのにカタカナ名はどうよ?と周囲。

劇団は塙の支持で戦時下にふさわしい芝居の稽古をさせられるがこれが「ヴェニスの商人」
の遠山の金さんバージョン。
これは後に借金を棒引きにしてもらう場面への伏線になっている。

小鹿は借金の担保に大切な妻を入れていた。取立てに来たやくざの前で「琴子は連れて
行ってもよいが、(お腹の)子供は連れて行ってよいとは証文に書かれていない」と主張し
妻を守る。

話の進行につれて、ことごとく対立してきた塙と小鹿が実の兄弟だということが明らかになる。
体制側で働く塙にとって自由奔放に生きる兄は自分の身をおびやかしかねない存在であり、
実の兄弟であることを声高には言えなかったという事情があった。

借金も解決し、ほっとした夫婦に赤紙が来る・・・
出征の日、今までの女遊びが原因で彼は弟子に刺され、結局戦場に赴く事のないまま
人生を終えてしまう。

大本営の発表は正真正銘の喜劇であり、それを知っていながら庶民は発表を信じざるを
得ない。これこそが最大の悲劇ではないかと弟に叫ぶさんまのことばが印象に残る。
日本人の朝鮮人への差別や朝鮮の人々と靖国神社の関係などにも浅いながらも言及されて
いて笑いだけではない面も。

前回の2作ではさんまが温水洋一をいじるシーンが延々と続いたが、今回は中山祐一朗が
その一部を引き受けている。彼のとぼけたキャラクターがさんまのつっこみに合っていて
なかなかおもしろい。
戦争の色濃い話ではあるが、笑いはふんだんに盛り込まれている。
真矢みきの色気があってしっかり者のきりりとした女房ぶりもいい。


          

直前までどの劇場でもらうチラシもこれだったので、今日観るまで正直不安で・・・(~_~;)
ともかく前回のようなことがなくてほっとしました。

 


柴犬陸さんの記事で知った東急本店前の「ヴィロン」でパンを買いました。
6時過ぎだったので売り切れのものも多くて少しだけですが。
クロワッサンが大きいのに驚きです。

          

          


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