万有引力 [観劇]
演劇実験室◎万有引力第43回本公演
幻想肉体詩劇『ブラック イン ザ ダーク』
台本:井内俊一
演出・音楽・美術:J・A・シーザー
2006年9月21日(木)~24日(日)
笹塚ファクトリー
宙に浮いてしまったチケット救済ということで知人からのご招待。
劇団のHPを見る限りでは難解なイメージがぷんぷん。 大丈夫か?
眉間にシワを寄せつつ観るような作品かもしれないし激しく場違いかも。
しかしこんな機会でもなければおそらくずっと接点のないまま終わることは間違い
ない劇団だし、わからなくてもいいからと思いきってご一緒させていただくことに。
開演15分前から整理番号順に階段に整列。小劇場ではおなじみの光景。
年齢層は意外に幅広く、200席足らずの劇場ながらほとんど満席。
以下予備知識なしのつたない感想を。
舞台上は黒一色。いくつかのはしごと床に置かれたボックスなどもすべて黒。
客入れと並行して役者が舞台上に現れ、はしごに上ったりボックスに座りながら
低く流れる音楽に合わせてゆったりとした動きを続けている。
それと呼応するように動きのあった客席が静かになり、場内がひとつになって行く。
繰り返されるメロディとゆったりした動き。紡がれることばも心地よい。
一転して暗闇の中に響く大音量の音楽と光の中で激しく動く肉体。
次第に不思議な感覚に捕らわれる。
あなたはわたし わたしはあなた
赤と黄色と青の光
すべてが融合した時にそこにあるはずの黒のカケラ
ブラック イン ザ ダーク
何もかもが終わった時、舞台上に膝を抱えて微動だにせずうずくまる闇色の少年。
今まで観せられたことのすべては彼の中で起こったことだったのか…?
少年を舞台上に残して観客は席を立つ。
始まりも終わりも普段慣れているそれとはかなり異なるものだった。
音楽に比べるとせりふとストーリー展開に少々の違和感を感じたのは年齢のせいなのか。
ともあれ初めての体験はそんなに悪くはなかった。