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八百屋のお告げ [観劇]


グループる・ばる20周年記念公演

   『八百屋のお告げ』

     

作:鈴木聡
演出:鈴木裕美
出演:松金よね子 岡本麗 田岡美也子 加納幸和 井之上隆志 佐藤二朗

2006年17日(金)~26日(日) 
東京芸術劇場 小ホール2  

 
「グループる・ばる」は松金・田岡・岡本の三女優のユニットで今回は20周年記念公演。



学生時代からの親友3人、ともに55歳。
夫と二人暮らしで子供はいないマチコ。
独身を通してきた恋多き女クニエ。昨日十年来の不倫の恋人に急死されたばかり。
そしてマチコにそそのかされて熟年離婚をしたものの、独立した子供とも疎遠になり最近元気が
ないタカコ。

そんなタカコがある日突然、予言がよく当たるという噂の八百屋からお告げを受けた。
それによると彼女は今夜の夜中12時までに死ぬという。

さあ大変! 死ぬまでにやり残したことはないか? 今日一日何をして過ごそう?


地道に主婦をしてきたタカコが思いついたことはディズニーシーとお台場に行くことくらい。
パァッとお金を使おうとクニエとデパートに出かけたもののいざとなれば香水1本買うのがやっと。
お茶飲むのも椿屋珈琲じゃなくてドトールへ足が向く。
主婦なんてそんなもの。
結局いつものように食事の用意をして掃除をして・・・そして最後の夜はみんなで寄せ鍋をしよう
ということになる。

たまたま訪れたセールスマン、同じように八百屋からお告げを受けた男・松原、そして昔3人が
好きだった男の息子も呼んでああでもないこうでもないと大騒ぎ。
でもみんなタカコのことを気にかけているのよね。

身の上話をしていくうちに、みんなそれぞれに心に寂しさや不安を抱えているんだと今更ながら
に、そして互いの優しさに気づいたり。

「生きていればいいんです。」というセールスマンの言葉に
「明日も生きていられればあれもしてみよう、これもしてみよう」と前向きになってゆくタカコ。


「死ぬときって孤独だね。でも生まれてくる時も一人だった。だからせめて生きている間だけは
誰かとギューッと抱き合っていたいよね」
松原がタカコを抱きしめて「暖かいです。生きてゆく元気がでました」
というシーンは胸に迫ってじーんとくる。

いっぱい笑って、最後にホロリとして、観ている方も気がつけば一緒に考えていることに気づく。
三人の息のあった演技は今回も健在で、観終わった後に暖かな気持ちになれる作品。
何より三人がとても楽しそうに演じているのが気持ちよい。
リアルおばさん等身大。いちいちうなずくことばかり。


2時間10分 休憩なし。

次回公演は来年「片付けられない女たち」の再演だそうで、これも楽しみ。


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