寄木神社~鏝(こて)絵 [街歩き・旅(関東)]
品川散歩 前回の続きです。
5月に近くの「善福寺」で伊豆長八の龍の鏝絵を見ましたが、それとは少し違った鏝絵があると
いう「寄木神社」にやってきました。
お祭りの日には見られるかもしれないという話をよりどころに来てみたものの
拝殿のガラス戸はしまったまま。反射で中は全く見えません…
あきらめて見回すと拝殿前にかなり時代がたっていそうな狛犬さんを発見。
左のは頭部が少し欠けてへこんだような状態。江戸時代創建のこの神社と同じ時間を
過ごしてきたのかもしれません。
小柄なせいもあり、どちらかといえば控え目な姿です。
その後方には少し時代が下った感じのする狛犬さん。
りっぱな台座に鎮座していて見上げる格好になります。
それぞれ子どもが二匹ずついるのと花があしらわれているのがおもしろい。
子どもたちも動きがあってかわいらしいです。
そうして狛犬さんの写真を撮っていたら神社の方がやってきて「撮りたかったら開けてあげるよ」
とおっしゃるではないですか!
半ばあきらめていただけにもううれしくて。
手を触れないでという約束で中に入れていただきました。
寄木神社は本殿が土蔵造りになっていて、鏝絵はその土蔵の扉部分に描かれています。
剥離防止の処理がなされているそうですがそれでも想像していた以上にあざやかな色彩が残って
いるのに驚きました。
神話の「天孫降臨」に材をえた作品だそうです。
天照大神の命を受けて<ににぎのみこと>が高千穂に天降したところに猿田彦命が立ちはだかった
まさにその瞬間を描いています。
当然扉の奥には天照大神がひかえているのです。
圧倒的な存在感で迫ってくるのは猿田彦命。
下右の写真でもわかるように盛り上がった血管やたくましい筋肉が本物さながらに表現されています。
眼は玉でしょうか、鋭い眼光と伸びた鼻が天狗のような雰囲気も感じさせます。
剣と鏡を持ったおっとりと上品な<ににぎのみこと>に比べて豊満な胸元をはだけて色仕掛けで
懐柔しようとする<あめのうずめのみこと>のセクシーで活き活きとした様子がなんとも楽しいでは
ありませんか。
拝見できてよかったです。
この日もうひとつ見た狛犬さん。 荏原神社のものです。
寄木神社と同じく子どもはそれぞれ二匹、そしてこちらにも牡丹のような花があしらわれています。
たてがみのあたりに躍動感があり寄木神社のものよりも凄みを感じます。
子どもたちがお互いに顔を見合ってじゃれているのがかわいらしい。