和宮道中御菓子 [和菓子(名古屋周辺)]
「大乃国の全国スイーツ巡業」で見てから気になっていたのが「和宮道中御菓子」
幕末に皇女和宮が14代将軍家茂に降嫁した際、道中で食したであろうお菓子を現代に再現
したものなのです。
平成13年に大阪で「皇女和宮様御婚礼道中菓子製法の儀」が発見され、そこには江戸への25日
ほどの旅の間に32品目の保存のきくお菓子を携行されたという記述があるそうです。
それをもとに中津川菓子組合が一年をかけて24品目を再現し、一度に6種ずつ販売しているものです。
販売日は和宮の誕生日である5月10日と中津川に宿泊された10月29日の年に2日だけ。
各日100箱限定です。
最初本を読んだ時は後に名古屋で暮らすことになろうとは思ってもいなかったので「無理だね」
という感じでしたが今は行こうと思えば行ける距離になりました。
ところが去年は5月10日が日曜だったのにすっかり忘れていて、以後はなかなか予定が合わず。
ようやく今年この日から始まる「中津川菓子まつり」と兼ねて出かけたというわけです。
上:「大村雨」
押物製 色 紫 小豆漉餡入 (やや硬めの村雨でした)
下:「千代の菊」
押物製 色 紅 (外郎、白小豆の餡でしょうか?)
上:「紅葉賀」
押物製 色 紅紫 (煉切 これが一番食べやすかったです)
下:「松の露」
押物製 色 青 (全体にうっすらと砂糖がかかっていて餡はさらしあんのようです)
上:「月影」
煎餅製氷砂糖付 色 紅 白小倉餡入 (ピンクの粒餡に白い砂糖がけが少女らしい)
下:「延齢」
押物製 色 紅 白小豆漉餡入り (栗の小片が入っています)
和宮降嫁の行列は厳重な警護のもと中山道を通って江戸へ向かったといいます。
東海道に比べて警護がしやすい、あるいは婚礼の行列のため川にとめられることを嫌ったために
中山道を使ったといわれているようです。
「住み馴れし都路出でて今日いく日
いそぐもつらき東路のたび」
という歌からもうかがえるように15歳の少女にとって見知らぬ江戸への旅は不安に満ちたもの
であったに違いありません。
道中これらのお菓子がたとえわずかであったとしても心の慰めになったと思いたいものですね。