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白鷺池を眺めながら [食べ物]


        

「和菓子 こまき」の隣にあるのがいなり寿司で有名な「光泉」(写真左の店)です。
北鎌倉の駅に
降りたのはちょうどお昼でした。光泉に入ってたずねてみるといなり寿司はまだ
買えるとのこと。店内にはテーブル席があるのですが、今は持ち帰りしかやっていませんとの
返事でいなり寿司はお土産になりました。以前来た時は複数だったので鶴岡八幡宮の境内で
食べたのですが、今日は一人なのでそれはちょっと…おまけにまだ外は寒いしね。

 

外に出たところで二階の「茶寮 円」のお品書きが目に入りました。
確か鎌倉では知る人ぞ知る懐石料理のお店だとガイドブックにはあったはず。
ちらと目を走らせると懐石の横にお昼のメニューとして「おしのぎ膳」の文字。
入ってみてあまりにも場違いなら出ようと心を決めて階段を上がりました。

引き戸を開けるとさほど広くはない店内ですが、数寄屋造りのしっくりと落ち着いた雰囲気で
他にお客さんの姿はありません。気さくな感じの女将さんが窓際の席をすすめてくれました。

 


      

目の前には白鷺池(「びゃくろち」と読みます)と木立が広がります。この池は円覚寺のもので
つまりはこの辺りは境内になるのですね。
池の向かって左側、店のすぐそばをJR横須賀線が通っていて線路が境内を貫く形になっている。
電車が通るたびにここからよく見えるし踏み切りの音も聞こえてきます。

 

 

        

「おしのぎ膳」のメインはあなごの蒸し寿司です。蒸しあがる間にほうじ茶をゆっくりと楽しみな
がら女将さんから鎌倉の話をいろいろと伺いました。
手前の朴葉に包まれているのが熱々の蒸し寿司です。左奥は胡麻豆腐。菜の花が添えられ
ています。なめこのお味噌汁のお椀もよい感じです。

 

 

        

     あなごの下は錦糸卵と刻んだ海苔。山椒の香りが効いていてとてもおいしい。

 

 

        

デザートは粟ぜんざい。甘味が抑えてあって小豆の味がしっかりと残っています。
さりげなく使われている漆器も茶托も湯呑も素敵です。

暖かい雰囲気の女将さんの話に時間を忘れてゆっくりとお昼を楽しむことができました。
私にとってはそう度々訪れることのできないお店ですが、できればもう一度と思わせてくれる
ものがありました。この次は懐石料理をいただきたいものです。

 

 

        

光泉のいなり寿司。おいなりさんだけのもありますが、これは細巻きとのセットです。
四角に切った油あげに寿司飯を詰めたのではなく、横長に開いた油あげで寿司飯を包んであり
ます。こういう形は光泉で初めて目にしました。

 

 

        

二つに切ってあります。油あげは甘く煮てありますが決してしつこい甘辛さではありません。
優しい甘さ。そして酢飯は甘くないので全体にキリッとした印象です。

関西ではおいなりさんといえば三角に切った油揚げに、具の入った寿司飯を詰めます。
子供の頃母親が作るおいなりさんには細かく刻んだにんじんと味付けした高野豆腐、そして
ちりめんじゃこが必ず入っていました。
いなり寿司にも東西の違いがあっておもしろいですね。


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