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ひばり…日々薄れゆく記憶 [観劇]

『ひばり』
        


作:ジャン・アヌイ  翻訳:岩切正一郎
演出:蜷川幸雄
CAST:松たか子(ジャンヌ) 益岡徹(コーション) 壌晴彦(異端審問官) 磯部勉(検事)
     横田栄司(ラドヴニュ師) 橋本さとし(ウォーリック伯爵) 山崎一(シャルル)他
2007年2月7日(水)~28日(水) Bunkamuraシアターコクーン

 

 

 

          

英仏百年戦争のさ中、フランスのドンレミ村に生まれた少女ジャンヌが天の声を聞いてから
軍を率いてオルレアンの町を開放し、ランスでシャルルの戴冠式を行った。
「オルレアンの少女」として世界史でも習ったことのあるジャンヌ・ダルクの物話。


 

 

              

静かにジャンヌが現れ客席と舞台の境目にしつらえられたベンチに座ります。他の出演者が
次々と現れ、ある者は着替えを始め、ある者は隣の人と話をしている・・・
まるで楽屋のような、あるいは開演前の風景のような。
これはあくまでもお芝居なのだよと示しているかのように。 そして気がつけばジャンヌの物語
が始まっています。

異端者として裁判にかけられているジャンヌの申し開きとして子供時代からの話が彼女の口
と通して劇中劇の形で語られてゆきます。
松たか子のまっすぐに通る声が膨大なせりふをよどみなく吐き出し続け、それに応える他の
キャストもみな安心して観ていられる人たちで、観る方はただただ圧倒されるばかりでした。
2階席だったせいもあるでしょうが、途中でついて行けない部分がありウトウトすること数回…

神と人、恩寵のあるなしなどこちらに宗教的な素地がないせいかと思いましたが、一緒に行
ったカトリック信者の友人も難しいと言っていましたので、やはり翻訳劇のせいもあるのでしょ
うか。せりふを追うのが精一杯。
そんな中で山崎一の情けないシャルルにほっとするものがありました。自信がなくて愛人に
翻弄されて。心変わりを責めるジャンヌの言葉に「それが政治というものなんだよ!」
と声を振り絞った場面に彼の人間性を感じました。

 

 

        

大天使の声に導かれて自分の信じる道をまっすぐに歩み続けたジャンヌは火あぶりに
処せられるのですが、アヌイはここで思いがけない結末を用意します。
暗い時代にあってジャンヌは処刑台に消えるのではなく、空に向かって羽ばたくひばりの
ようであってほしいと。
ここまで観てきて冒頭のシーンの意味に改めて気づくのです。

時間がたつにつれて記憶が薄れてゆきます。すぐに書かないとだめですね。

 

 


もう何だかよくわからなくなってきたのできょうのおやつ載せときます。

 

        

        久しぶりの 紀の国屋「あわ大福」

 

 

        

このちょっとしょっぱい御餅の部分とあっさりめに焚いたつぶあんの組み合わせが素朴で
なんともいい味なのです。賞味は当日のみなのでいつも1個か2個しか買いません。
翌日には別物の味になってしまいます。
これはずっと以前ですが染五郎がはなまるのおめざに持ってきて、その時に初めて知り
ました。 

 

 

        

一緒に買った「くろくろまんじゅう」
温泉まんじゅうのような感じのこしあんまんじゅうです。あわ大福ほどの個性はありませんが
おいしいですよ。 


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