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社長放浪記  THE BEE [観劇]

『社長放浪記』

    

作:三谷幸喜
演出:三宅裕司
キャスト:伊東四朗 佐藤B作 三宅裕司 藤澤恵麻 山口良一 東貴博 伊東孝明 河本千明 中村メイコ
2007年6月25日(月)~7月22日(日)  本多劇場

「伊東四朗生誕?!七十周年記念」と銘打った三谷幸喜の新作です。
ハトポッポ製菓はこのところ異物混入の不祥事続き。これを機会にワンマンな社長追放をもくろむ専務一派。
専務の甥(前社長のジュニア)が後継者候補なのですが、このジュニア、まったく仕事ができないお気楽男。
社長を継ぐ気など更々なし。 それでも社長が頼むと頭を下げれば引き受けてくれるのではと期待する専務。
そんな専務の前に現れたのが社長にうりふたつの男。実はそれは社内に落花生を売りに来る女の子とひそかに
会うために害虫駆除の作業員に変装した社長だったのだが、そんなことは知る由もない専務。
すっかりそっくりさんだと思いこみ彼を使って社長交代を図ろうとします。
そっくりさんの正体を知る部長(山口良一)は社長と専務の間で右往左往、
秘書や駐車場係、さらには社長
夫人まで加わって勘違いとすれ違いの大騒ぎ。

伊東四朗が出てくるだけで「うふっ」と笑ってしまいます。舞台上に立っているだけでもうおもしろい。
そして70歳とはとても思えない軽やかな動きには驚きます。
「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」を生で観ることができなかった者としては、三谷作品の伊東四朗を
観ることができて、もうそれだけで満足です。

「伊東四朗一座」「熱海五郎一座」の笑いとは少し違いますが、私はこちらの方がテンポがよくて好みです。
当日(10日ソワレ)はカメラが入っていました。WOWOWで放送されるようです。

 

 


野田MAP番外公演『THE BEE』 日本バージョン

       

原作:筒井康隆 「毟りあい」より
脚本&演出:野田秀樹
キャスト:野田秀樹 秋山菜津子 近藤良平 浅野和之
2007年6月22日(金)~7月9日(月) 日本バージョン
      7月12日(木)~7月29日(日) ロンドンバージョン
シアタートラム    約70分

サラリーマンの井戸(野田)が息子の誕生日のプレゼントを携えて帰宅すると、自宅に脱獄犯の小古呂
(おごろ)が妻と息子を人質に立てこもり、周囲はマスコミと警察で騒然となっていた。
警官と共に小古呂の妻に説得を頼みに行ったところで井戸は警官を襲って銃を奪い立てこもる。
小古呂対井戸の終わりの見えない争い、「毟りあい」ということばがぴったりの争いが始まる…

淡いオレンジ色の大きな1枚の紙を使ったセット。これが壁やドア、窓、布団、さらには封筒などと様々に
形を変えて用いられます。照明や影をうまく使っているのもよかった。原作には出てこない蜂の羽音が
心の中にザワッとしたものを呼び起こすのに効果的に使われています。
井戸以外の演者は小道具、身振りを少し変えることで警官、子供、リポーターなどを次々と演じ分ける。
観る側にも想像力を求められる構成になっているので自然舞台に集中することになります。
4人の演者の気迫がビンビンと伝わってきて目を背けたいのに舞台に釘付けになってしまうような。

秋山菜津子(小古呂の妻)の少しずつ壊れて行く様子が秀逸でした。傷ついた子供を前にしたつらさを
声は出さずに表情だけで表現。音がない分かえって血を流しているような心の痛みが伝わってきます。
これでもかこれでもかとエスカレートする井戸の行動は観るものへの野田秀樹の挑戦のようにさえ思えました。
70分の悪夢を見せられたようで終わってからもすぐに席を立つことができませんでした。
うまく表現できないのですが、後味はよくないのにそれでも観てよかったと思える作品でした。

 

 

 

     
       
久しぶりのマメヒコでいんげんのマメレット


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