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ひーはー [観劇]


        

Piper結成10周年公演 『ひーはー』

  作・演出:後藤ひろひと
  キャスト: 川下大洋、後藤ひろひと、山内圭哉、竹下宏太郎、腹筋善之介(以上Piper)
       楠見薫、平田敦子、水野美紀、片桐仁(ラーメンズ)
  2007年8月22日  愛知厚生年金会館

Piper公演としては2004年12月の「スプーキーハウス」 以来2年8ヶ月ぶり。そしてメンバー全員が
揃うのは確か 今回が初めてだったと思います(前回腹筋さんは野田 MAPに出演のため欠席だった)
タイトルの「ひーはー」というのはカウボーイが牛を追う時に発する奇声だそうです。

名古屋公演は厚生年金会館にて一回だけ。 それでも飛ばされなかっただけありがたい。
1階席はほとんど埋まり、開演前から物販コーナーは長蛇の列。 名古屋でもPiper人気はなかなかの
もののようです。  今回は普段よりもさらに物販アイテムが増えていて、中には平田敦子人形や
トコトコウマ(ダブリンでおなじみの馬)などというものまであったようです。
しかし本多劇場と同じものを1600のハコで上演するというの はどんなものでしょう。後ろの人は細かい
部分までちゃんと 見えているのかしら。

前回の大王作品はパルコの「みんな昔はリーだった」
これがちっともおもしろくなかったので今回はあまり期待 せずに出かけました。
ところがうれしい誤算

 


(以下ネタバレあり。ご注意ください)
               

プロローグは脚本家としての大王の語りから。この辺からすでにスプーキーハウスと同じ。
「ひーはー」は西部劇。しかしテキサスはアメリカの西部ではなく中部に位置する(このあたり非常
に大王らしい切り口です)  中部にあっても西部劇というのは千葉にあってもTDLと名乗り、
観覧車といいながらも隣のカラオケ店の屋上しか見えないものと同じ(ここ名古屋ネタ!)
だから日本が西部劇の舞台になっても何ら問題はなし。
ここは日本なので使われる銃はすべてニセモノ。しかし脚本家としての権限で壁にかかっている
ピストルで最初に撃たれた人は死亡するという約束事
を作っておきましょう。

 

          
上の観覧車云々の一文についてですが、本日(8/25)写真を撮ってきました。多分これだと思います。
名古屋の栄にある「サンシャイン栄」の壁面に設置されている観覧車です。向かいに見える白と赤の
ビルがカラオケ店です。

          
             乗ったことはありませんが、なるほど大王の言う通りかも…


と、まぁそれはさておき
スプーキーハウスの親子ひろゆき(山内)、みずほ(楠見)、たま子(平田)の3人は 全く同じ役柄で
今度はつぶれたハンバーガーショップに住みついてる。
そこにやってきたのがmixiで知り合った西部劇マニア2人(川下・片桐) ここでオフ会をやるらしく、
「ギタリスト殺しのエディ」と名乗る男が来るのを待っている。 

次にやってきたのは弱小イベント会社の2人(竹下・水野) 
吉本にチュートリアルの出演交渉をしたところ、抱き合わせでクロード・チアリを押し付けられ、挙句に
肝腎のチュートリアルはTVが忙しくて欠席。公演会場へ向かう途中に車の事故でクロード・チアリは沼
の底に沈んでしまう。事故を起こしたことをひた隠しにする二人。

昔みずほは酔った勢いで元木(腹筋)という男にひろゆきを殺してほしいという手紙を出していた。元木は
後に傭兵となり、除隊後みずほとの約束を果たしにハンバーガーショップへやってきた。
元木はかつては髪が多く「もじゃきくん」と呼ばれ、高校時代にはひろゆきのいじめにあっていた。
そして元木を追って元上官(後藤)まで現れた…

怪しげな登場人物たちの勘違いがさらに次の勘違いを呼んで、てんやわんやのrolling stone 状態!
あちこちに張られた小さな伏線が笑いを誘います。そうか、それじゃ勘違いするよなぁ…っていう具合。
そして話はどんどんあらぬ方向へ。 多少の強引さでもって何とか話を収束させ、クロード・チアリが生きて
戻ってきたところで大団円に なるはずだったのに・・・だま子のヤツめ!
ここに至って冒頭の「お約束」が意味を持ってくるのです。
最後の瞬間は「アッ!」と思わず声が出てしまいました。  

僧正はかつらで登場、たま子に剃られた設定でヅラ外し。 最近こんなの多いなぁ。
気弱で娘にやられっぱなしのひろゆきのキャラがかわいい。娘のことを悪魔と呼び、
「神様は俺らにあの怪物を与えて何を罰しようとしたはんねんやろ」  たま子はみずほの前ではよい子
なのにひろゆきに大しては邪悪そのものの顔になり、言動はまるで悪魔。平田敦子恐るべし。
「もじゃきく~ん」の歌はどうも日替わりのようで、この日は「寿司食いねぇ」の繰り返しでした。
♪何とかかんとかコハダアジ 何とかかんとかコハダアジ♪  
僧正の 歌詞を聞きながら水野美紀と竹下宏太郎が笑いをこらえて いるのがツボ。

今回は「ダブリン~」のキャラクターの「馬」が結構重要な役 で出演しています。ゲストの片桐仁と
再びの共演ですね。
今回腹筋善之介はパワーマイムを封印しているけれど 殺人マシーンとなって動き回る姿はやっぱり
いつもの腹筋さん。   「ヤレヤレ…」 は聞けませんが^^;


カーテンコールで「ブログに書いたり友達に話そうとし てもストーリーをちゃんと伝えるのはあなたがた
の力では 到底無理。DVDを予約なさい」と大王。
はて、スプーキーの時にもこれと同じことを聞いたような…?

ともかくも大王らしい作品で満足満足
金欠でDVDの予約ができなかったのが残念ではありますが。
 


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