SSブログ

まどろみ [観劇]


         b8520.JPG 

M&O plays プロデュース 『まどろみ』

作・演出:倉持裕
キャスト:ともさかりえ(とつみ) 近藤公園(零児) 村岡希美(芽里子) 玉置孝匡(日達) 六角精児(秀平)

2008年5月15日(木)~25日(日) 豊島区立舞台芸術交流センター あうるすぽっと








          b8521.JPG

毎夜散歩に出かける不眠症に悩む男(零児)はとあるバーで知り合った女(芽里子)と小田急電車が窓のすぐ
そばを轟音を立てて通り過ぎる部屋で関係を持つ。
ある雨の日、零児がとつみと暮らす家に訪ねてきた芽里子。対峙する二人の女。
とつみも決して零児とうまくいっているわけではないらしいことがうかがえる。

芽里子に続いて闖入してきた日達という男、そして零児の叔父秀平も加わり話はどんどん複雑な様相を
呈し始める。

零児は町で自分と同じ顔の男に出会ったという。芽里子の探しているのは自分ではなくその男なのだと。
ドッペルゲンガー?それとも零児のうそ?

それぞれの作為が入り乱れ、観る方は発せられる言葉を手がかりに手探りで状況を掴もうとするが、ようやく
掴んだと思えた登場人物の関係がもう次の瞬間には変化しているのがおもしろくもあり、もやもや感もあり。

ペンギンの前作でも冒頭で鎌倉という具体的な場所がせりふとして出てきたが、今回も倉持作品にしては
めずらしく相模大野や新百合ヶ丘という駅名が登場する。
あまりにも現実的なそれらの地名と目の前でくりひろげられている話の雰囲気とのギャップがなんとも不思議。

「人は眠りの中でいろいろあって朝には別人になる。眠れない零児さんは別の自分になれない」
という意味の芽里子のせりふが印象的。

カフェインを摂らない習慣、「キッチンの流しで手を洗う」という行為、コートのベルトを引きずる人と自転車…
手がかりのようなものはちりばめられているのに掴まえようとする指の間からすり抜けてしまう。
真実は何? はたしてそれを知ることに意味はあるのか?

やがて零児と同じ顔をした男は日達に刺されて死に、零児は…

今回もまた倉持ワールドに翻弄されっぱなし。









          b8515.JPG

今回公演が行われた「あうるすぽっと」は東池袋にあって、2007年秋にできた新しい建物の2階にあります。
豊島区の図書館も併設されていて、公演前に少し立ち寄った感じでは貧弱な図書館環境におかれている
名古屋市民から見ればとてもうらやましい場所でした。

池袋駅からの道筋にはところどころに歩道上にマスコットであるフクロウ(あうる)のイラストが描かれていて
丁度よい道案内になっています。



4月に観た「どん底」「49日後…」もアップしないままに時間がたってしまい、久しぶりの舞台の感想になり
ました。忘れてしまわないためにもせいぜい感想を残しておかなくてはと改めて思っています。


タグ:倉持裕
nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。