ウーマン・イン・ブラック(2回目) [観劇]
不満が残った7月の愛知厚生年金会館での公演からはや一ヶ月。迷いに迷ったあげくの贅沢です。
パルコ劇場でもう一度観てきました。
席はE列センターブロック。
劇場セットの柱周りのクモの巣まではっきり見えるし、舞台奥を一瞬横切る黒い女の姿もちゃんと
確認できる。
あの広いホールの後方席では気づけるはずもない、恐怖に震える斉藤キップスの指先も。
そしてそして何よりも私語の無いシ~ンとした客席。客の意識が舞台上に集中している心地よさ。
舞台は観客と役者の両方で作り上げるものだということが改めて実感できます。
同じ作品とは思えないくらいで、やはりパルコサイズの空間がちょうどよいのでしょう。
ただ欲を言えば効果音はもう少し小さめでも充分な気がしますし、個人的には2時間位の上演時間
ならばいっそ休憩なしのほうが集中が途切れなくてよいのではないかと思います。
「若い女性…? 知りません」
という最後のせりふに続いてロッキングチェアが激しく揺れる音 暗転。
この終わり方は好きです。
名古屋ではすぐ後ろに明らかに自前でチケットを買ったのではないと思われるグループがいて
斉藤・上川両氏の名前もご存知ない様子。そして私語に加えて鼾までもという状態でした。
2度目を観たことで少なくともその時の後味の悪さを払拭できました。
無理して遠征してよかったです。
三軒茶屋駅の南口から少し歩いた路地にある「ディーチャイ」
今まで何度か前まで行ってみたのに営業時間前だったり休みだったりで縁のなかったカフェです。
古い民家をあまり手を加えずにカフェにしている、そんな感じです。
靴を脱いで上がります。店内は禁煙、喫煙は中庭の屋外でのみ可となっています。
縁側に喫煙席を示すキセルの座布団が置いてあるのがおもしろい。
時間の都合で飲み物だけでしたが、メニューを見た感じでは食事がおいしそうです。
スタッフのお兄さんもとても気持ちのよい方でした。
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今朝のテレビで深浦加奈子さんが亡くなったことを知りました。
好きな女優さんでした。
何本か舞台を拝見しましたが、中でも2004年の「葡萄と密会」は印象に残っています。
新宿のpamplemousse(パンプルムス)
後にも先にもあれほど狭い空間でお芝居を観たことはありません。
靴を脱いで腰掛けた硬いベンチ、上演中はエアコンを止めるので配られたうちわを片手に
満員の場内、驚くほど間近で演じられた夫婦のお話。
細かな部分は忘れてしまいましたが、それでも初見の村松利史さんの強烈な個性にクラクラ
しつつ、終盤の深浦さんの涙に心を動かされたことを覚えています。
深浦加奈子ありき、の作品だったように思います。
何よりも48歳というのはあまりにも若い。残念です。
合掌