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有松へ [建物]


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有松は名古屋市の緑区にあり、東海道沿いに江戸初期に開かれ絞り染めで栄えた町です。
名鉄有松駅を降りてすぐ南側には現在もその頃の趣きを伝える商家の家々が立ち並び、往時の様子を
偲ぶことができます。

1608年にこの地に移り住んだ竹田庄九郎によって考案された絞りの技法(九九利絞)から始まったものが
現在に至るまで「有松絞り」として受け継がれています。
「有松絞り会館」では絞りの実演が行われていて見学することもできます。





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現存する絞り商家の建物の多くは二階が「塗籠(ぬりごめ)造り」というしっくいを塗りこめた造りになっています。
これは1784年に町が大火のために焼失したことを機に防火対策として用いられた技法なのだそうです。
また「虫籠(むしこ)窓」という虫かごのような縦格子の窓も特徴的です。






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そして「卯建(うだつ)」
防火のために隣家との境に設けられています。1枚目の写真の建物(服部邸)にもとてもりっぱなうだつを
見ることができます。





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      緑青がふいた戸袋を初めて見かけました。これも防火対策のひとつなのかな。







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どっしりとした蔵や瓦から商家の力を伺い知ることができるようです。このお宅は邸内で絞り染めの展示会が
開かれていましたが、並んでいる品々もさることながら建物やお庭のみごとさに目をうばわれてしまいました。






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この「神半邸(かみはんてい)」には昭和初期の建物を利用して雑貨店や名古屋では有名なパン工房
「ダーシェンカ」などが入っています。






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「ダーシェンカ」の入口。「ありまつ」と染め抜かれた絞りののれんは町のあちこちにかかっているのを見かけます。
町のシンボルといった感じですね。

素材にこだわって石窯で焼かれるパンは外はパリッとしていて中はふんわりで味わい深いパンです。
これは店名と同じくダーシェンカという名前のパン。食事パン以外にもいろいろあって、近くにあったら頻繁に
通いたくなるようなパン屋さんです。






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この日はお祭りを翌日に控えて山車の準備の真っ最中でした。
有松には東町・中町・西町と三箇所に山車があり、秋のお祭りに曳き出されます。
これは中町の「唐子車(からこしゃ)」





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三体のからくり人形のすべてが唐子であることからそう呼ばれています。実際に動くところを見ることができないのは
残念な気もしますが、祭りの当日だったらこんなに間近で見ることはできないかもしれないのでよしとするか。





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西町の山車「神功皇后車(じんぐうこうごうしゃ)」
刺繍がみごとです。後方は赤に金糸の縫い取りがありました。
この山車には神功皇后、武内宿禰(たけのうちのすくね)、神官の3体のからくり人形が乗るそうですが
まだ山車庫の中に納まったままでした。




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        からくり人形はあの中に大切に収められているのでしょうか。








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最後のひとつは東町にある「布袋車」ですがあいにく見ることができませんでした。
布袋山車庫のそばには山車会館があり、普段は3台の山車のうちのどれかが展示されているのだそうです。
山車会館の横には「東海道」の道標が立っていました。







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有松で見つけた丸ポスト2つ。この街並みには丸ポストが似合います。

大切に保存されている建物はどれもみごとですが、町中にはりめぐらされた電線がとても気になりました。
地中化は少しずつ進められているとのことなのでその完成が待たれます。

          


タグ:有松
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