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中馬のおひなさん [街歩き・旅(名古屋周辺)]


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  豊田市足助町 
   香嵐渓のあるこの地は名古屋近郊の紅葉の名所として有名な場所ですが、この時期は
  「中馬のおひなさん」として町じゅうのあちらこちらでひな人形の展示が行われています
  (3月8日まで)

   その数約130か所。全部で6000体だそうです。
  公共施設や商店だけでなく、一般のお宅でも道路に面した部屋でひな人形を公開されています。
  人形にまつわるお話を聞かせてくださったり、写真もOKというところがほとんどでした。

  町を上げてのイベントで通りにはもち花が飾られ、「おひなさん展示中」というひな人形のイラストと
  番号の入った看板が出ているのでそれにそって見学して行きます。
 
   
 







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    時代も江戸末期から平成までと多岐にわたっていますが、興味をひかれるのはやはり古いもの。
    これは江戸か明治の初めのものだったかと思います。
     重ねた着物の裾から綿が少しはみ出していますが、時代を経ていても衣装の色合いがいい感じ。
    ふっくらとした頬の線や目元に時代を感じます。





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    上の2組は大正時代のおひなさま。
     どちらもお顔と衣装がとても上品。よいものだというのがわかります。

    



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    こちらもはっきりとした年代は不明ですがおそらく江戸末期と考えられるとコメントがついていました。
    御殿びなですが屋根はついていません。



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    三人官女が妙に色っぽい^^; 昔の日本女性の体型ではないですね。顔が小さく手足が長い。
    そしてこのおひなさまの面白いのは男女で大きさが違うところ。
    何体ものおひなさまを見ましたが、大きさの違うのはこれと後に出てくる土びなのものだけでした。





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    昭和29年の御殿飾り。
    この家の長男のために贈られたひな人形で、五人囃子や仕丁の衣装が少し地味な色合いに
    なっているそうです。他にも男の子のためのをいくつか見かけました。
    




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    同じく御殿飾りですが、三人官女がきれいなかんざしをつけています。屋根の上のシャチホコも
    厚みがあってりっぱ。 





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    五人囃子も御殿の中に入っています。さまざまなバリエーションがあって楽しいですね。

    
     足助ではとても多くの御殿飾りが展示されています。
    印象では全体の半分くらいはあったように思います。
     御殿かざりはもともと上方に見られた様式だそうですが、愛知・静岡あたりで多く作られたとのこと。
    ところが残念なことに屏風の段飾りが主流になり、昭和30年代を最後に姿を消していったそうです。
   
    わたしが祖父母から贈られたひな人形も御殿飾りでした。
    でも子供の頃から他のお宅で目にするひな人形はどれも金屏風の段飾りばかり。
    自分のだけが変わっているのかと子供の頃は少しばかり寂しかったのですが
    世の中にはこんなに多くの御殿飾りがあったのだとこの歳になって初めて知りました。





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    これも男の子用に作られたおひなさま。
    歌舞伎の舞台を模した御殿に土びなが並んでいます。力強くていいですね。
    後ろの風景から御殿全体の大きさが想像できるかと思いますがマンションじゃとうてい無理なサイズです。





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    これもまたユニークなおひなさま。男の子っぽいですね。
    土人形で最上段のお内裏様が大きい。
    もしかするとこれはセットのおひなさまではなく、別々のものを組み合わせて飾っておられたもの
    かもしれないなと思いました。  お話を伺ったわけではないので想像ですが。


    大正くらいまでの所有するお宅の豊かさがしのばれる物。戦中、戦後すぐの物資のなかった
    時代に苦労して整えられたであろうおひなさま。
    どの時代にあっても親が子の健やかな成長をと願いを込めたであろうことが伝わってきます。

    








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  足助八幡と足助神社が並んで建っているのですが、両社の狛犬の表情が対照的だったので撮ってみました。

  上は足助八幡社のもの。
  創建は1300年前という由緒ある神社で狛犬も相当年数を経ている様子。
  全体に丸みをおびた体つきで頭の角がかわいらしい。




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  片やこちらは足助神社
  明治期の創建のようで、狛犬の後ろには「明治9年 足助菓子組合」とあります。
  見るからに荒々しい様子。




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    後姿もこのように違います。あまりにも逞しすぎるのもどうなのか…









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    この日の甘い物は「両口屋」さんで見つけた「塩大福」
    気取りのないラッピングどおりの手作り感にあふれた大福です。お餅がなめらかに搗けていて
    あんこが甘味控え目なのを差し引いてもおいしい「餅菓子」でした。


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