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「夜の来訪者」 [観劇]


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  久しぶりの観劇記事です。
  舞台は以前よりかなりペースは落ちたものの時々観ているのですが、気づけば9月以降ひとつも
  書いていませんでした。

  12月は「ジャージマン」「あれから」「グッドナイト・スリイプ・タイト」「舞台は夢」「冬の絵空」
  今年になってからは「パイパー」「トワイライツ」「床下のほら吹き男」など。
 


  2月に観た中で印象に残っているのは『夜の来訪者』
  
  翻訳物ですが内村直也翻案の舞台は1972年の日本に置き換えてあります。
  演出は本作が初めてという段田安則。


        **********

  ちあきなおみの「喝采」に続いて日中国交回復や上野にやってきたパンダ、札幌冬季五輪など
  当時の世相を映した映像が流れる。

  『舞台は、一代で財を成した実業家の邸宅。娘の婚約で華やぐ一家団欒の場に、
  一人の警察官が現れた。男は、ある小さな事件の報を家族にもたらすが、誰一人、何の
  かかわりがあるのかさえわからない。やがて、男が投じた一石は、家族の心に波紋を描き、
  大きな疑念が渦巻いていく…』  ~ちらしより~


  夕食を終えたらしい一家(主:高橋克美、妻:渡辺えり、娘:坂井真紀、息子:八嶋智人)と
  娘の婚約者モリナガ(岡本健一)が談笑している場にハシヅメと名乗る刑事が訪れた。

  今日一人の若い女が消毒薬を飲んで自殺をはかったという。
  
  なぜ自分達と何の関係もない女のことでハシヅメがやってきたのかいぶかる一家とモリナガ
  だったが、ハシヅメが順番に写真を見せながら話を進めるうちに思いもかけなかった事実が
  浮かび上がってくる。

  主人は経営する会社の組合運動に関わったヤマダヨシコという女を解雇した。
  名前を変えてデパートの売り子として働いていた女を娘が中傷し、女は再び解雇された。
  教会で困っている人々に手を差し伸べる会を主催している妻は、助けを求めてきたその女を
  拒絶した。
  女は妊娠していたが、その相手は何と息子だった。
  そしてモリナガまでもがその女と無関係ではなかった。

  それぞれが知らない間にヤマダヨシコと関わっていたのだった。
  いがみ合う家族。
  
  「ヤマダヨシコはもういない。あなた方がいくら悔いても何もできないのです。多くのヤマダヨシコが
  いることを忘れないでください。」と訴えたあと
  「社会の中で互いが助け合って生きている、それを忘れるならば火と怒りと血をもって思い知らされる
  時がくるでしょう」
  という言葉を残してハシヅメは去ってゆく。

  世間体を気にし、言い争いながらも娘はしだいに自分の行いを悔いはじめるが、相変わらず自分
  たちの非を認めようとしない両親に
  「すべてを吐き出させたあの人は神のよう」と言う娘。

  やがてモリナガによってハシヅメの正体は警官ではないらしいという情報がもたらされる。
  
  ハシヅメはいくつかの情報を混ぜ合わせて一人の女の人生に仕立て上げたのではないか?
  その証拠に写真は一人ずつにしか見せなかった。
  見せられた写真が同じ物とは限らないのではないか。
  息子やモリナガは写真を見せられていない。
  相手が警官だというだけで自分達はすべてを信じてしまったのではないか。

  死んだのはどの女? 果たして今日本当に死んだのか?

  電話で病院に問い合わせるモリナガ。

  死んだ女などいなかったことがわかる。

  はしゃぐ両親とモリナガを責める息子と娘。
  たとえ女の死が現実に起きたことではなかったにしろ、それぞれが告白した行いの内容に
  変わりはないはず。
  ごまかしあうのはよくない。

  
  電話が鳴る 出る父。 警察からの電話だった。

  「若い女が消毒薬を飲んで死んだ。
  今から警官がやってくる。」

  玄関のブザー  
  ドアが開く
  暗転
   
  
        **********

  せりふを追いながら状況を掴み取ってゆく作業はなかなかに楽しかったです。
  長いせりふを出演者がかんでしまう場面も少しありましたが、二転三転する物語は充分に
  見応えがありました。

  追い詰められて保身に走る一家の姿に笑いが起きたり、重いだけではなく適度なメリハリ
  がついていたように思います。
  個人的には渡辺えりの髪型がツボでした。とってもヘンで話の筋に関係なくどうしても目が
  いってしまって困りました。

  ともかく
  ハシヅメに騙されていただけだったのだいうところで一応の答えが出たと思わせておいて
  最後のどんでんがえし。
  いやぁ怖かった。

  
 

 

 



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   名古屋に住んでいると好き・嫌いに関わらず、いたるところでドラゴンズのマスコットドアラに
   遭遇します。
 
   2月から3月にかけて販売されていた「ドアラのチョコレートケーキ」
   愛知・岐阜・三重・長野・和歌山の一部のサークルK・サンクスでの限定販売でした。

   似てると言われれば似てるかな。
   味の方はまぁまぁでした。

  
 


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