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飯田線に乗る(1) [街歩き・旅(その他)]


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      久しぶりに青春18きっぷを利用しました。
      今回のテーマは 「飯田線に乗る」 です。

  
      
      最寄り駅で始発に乗りこみ、時間の都合で金山駅からは名鉄を利用します。
      豊橋駅に着くと名鉄と同じホームの向かい側に飯田線の中部天竜行きの2両編成の電車が待って
      いました。
      


      
      
      
      
      豊橋発車は午前7時発。平日とあって車内は通勤客や部活の高校生でほぼ満員。
      中には立っている人もいます。
      
      もっとのどかな路線だと思っていたので意外でした。
      それでも豊川、新城・・・と過ぎて行くうちに人が減り始め、大海辺りからは車窓の風景も
      山が多くなってローカル色が強まってきます。
 
     

      飯田線は豊橋から辰野までの約195キロを結んでいて駅の数は94もあります。
      路線図を見ると一般的なJR路線に比べて駅数が恐ろしく多いのがわかります。
      もともとの成り立ちが複数の私鉄路線だったからのようです。
      通して乗ると6時間かかるのですが、それではあまりにも味気ないので途中で何か所かに
      立ち寄りながら一日かけて松本まで行くことにしました。



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      最初の途中下車は東栄駅。
      何ともユニークな駅舎ですがここは「花祭りの里」として有名らしく、祭りで使われる鬼の面を
      かたどった建物になっています。



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      駅舎は地元の三河材を使用して平成3年に建てられました。
      ほのかな木の香りとぬくもりのあるなかなかいい感じの建物です。

      無人駅ではありますが、「ちゃちゃカフェ」というカフェ兼コミュニティスペースといった趣の
      お店が併設されています。
      吹き抜けの明るい店内には地元の人たちが次々に訪れていてなかなかにぎやかでした。
      写真はモーニングセット(350円)



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      さて2番目の途中下車駅は車で来ることができない駅として有名な小和田駅です。

      ここは秘境駅ランキングで北海道の小幌駅に次いで全国で2番目なのだとか。
      佐久間ダム建設で付近の集落が水没し、駅だけが残った形になってしまいました。

      
      同じ列車で私たちの他に降りたのは買い物帰りらしい年配の女性だけでした。
      
      
      駅からしばらく歩いた所に一軒だけ民家があるそうで、この駅を利用しておられるのですね。
      飯田線以外の交通手段がないこの地にあって小和田駅の存在は大きいのでしょう。



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      駅は両側をトンネルに挟まれた場所にあり、ホームからは天竜川を見下ろすことができます。
      以前は対面式のホームだったようですが現在は片側だけになり、線路も撤去されています。
      構内踏切のあった場所は柵が作られて立ち入り禁止になっています。

      電車が出た後は鳥の声だけ。とても静かです。



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      小和田駅があるのは浜松市天竜区で静岡県ですが天竜川の対岸は愛知県、次の中井侍駅は
      長野県になります。ここは三県分境の駅でもあり、ホームにはそれを示す標識も立っています。  




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      (上左)昔の駅名標がまだ残されて         (上右)ホームから駅舎への入り口部分
      (下左)事務机の上には駅ノート。意外に多くの人が訪れているようです
      (下右)駅舎が出来たのは昭和8年・・・約80年ですね




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      駅舎正面
      手前左にはトイレがあるのですが、老朽化に伴い取り壊し予定だそうで6月から使用禁止に
      なった旨の貼り紙がされていました。   
      

       駅舎は古いですがゴミもなく比較的きれいに保たれています。 



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         駅舎を出てすぐの景色です。
         ロータリーはおろか、1本の細い道が下っているだけで本当に何もありません。  



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      (上左)下ってゆくとすぐに標識が。右には簡易舗装された道、左には階段があります。
          後ろの茶色の屋根の建物は廃屋でした。
 
   
      
 
      (上右)階段を下りると製茶工場らしい跡が。人気がないのでちょっとこわい。
     
      (下左)茶色の屋根の建物と川の間に放置されたままのミゼット。
          この辺りの集落が水底に沈む前にあったものでしょうから50年以上は経っているはず。
      (下右)製茶工場の下に「小和田池之神社5分」とあるので周囲を探してみましたが
          増水で道がなくなったようでたどりつくことができませんでした。



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      少し歩くと天竜川沿いの歩道に出ます。
      
      
      静かな川面を時折り船が上下して行きます。鳥の声に混じって船のエンジン音がのどかに
      響きます。

      50年あまり前はこのあたりに集落があり、人々の生活が営まれていたということが信じられない
      ような風景です。



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      再び階段と坂道を上って駅に戻ります。右の写真の上に小さく見えているのが駅舎です。
      
      
      たとえ乗降客が少なくてもこの駅を生命線とする方がいる限りJRは小和田駅を廃止することは
      ないのでしょう。そう思いたい。

      2時間後にやってきた下り列車に再び乗り込みましたが、車内では高校生たちがスマホを
      さわっている。そんな光景は直前までの体験とギャップがありすぎて、小和田駅でのことが
      現実のことではなかったかのような、一瞬そんな不思議な思いにとらわれました。



      
      
      
      
      


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